四方を山に囲まれた信州で地元のハンターらから「スーパー猟師」と呼ばれるわなを使った害獣駆除の名人がいる。
農作物の獣害に悩む地元に生まれ育ち、ニホンジカやイノシシ、ツキノワグマなどを仕留め続けて50年近く。培った経験と「天性」といわれるわなのセンスで、年間の捕獲数は100頭を超える。
「畑を荒らすイノシシをなんとかしてほしい」
長野県塩尻市の山口富雄さん(73)が、父の見よう見まねでウサギ用のわなを針金で作るようになったのは小学生のころ。「近所に住む知人が猟銃でウサギやキジなどを仕留めてきたのにあこがれた」という。
中学卒業後、松本市内の農機具メーカーに就職してからも狩猟へのあこがれは消えず、25歳で猟銃とわなの免許を取得した。
増えすぎた害獣の駆除に携わるようになったのは50歳のころ。「イノシシがジャガイモ畑を荒らしているので何とかしてほしい」と塩尻市の担当者から依頼されたのがきっかけだった。
集落に現れたイノシシが暴れれば人に危害を及ぼす恐れもある。山口さんは「天性」といわれるセンスと経験に裏打ちされた技術でわなを仕掛け、次々とイノシシを捕獲していった。
使うわなは4種類、いずれも市販品
定年退職した60歳のころに…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル